土地付きの一戸建てやマンションを売却する際には、按分を済ませておく必要がありますが、専門用語であるため意味がわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、不動産売却時における按分の意味について注意点やり方も交えて解説します。
不動産売却時における按分とは
按分とは、土地と建物それぞれの売却価格を明確に決めることで、課税対象となる建物と非課税である土地の価値を区分する方法です。
なぜ、このような手続きが必要であるかというと、消費税が存在するためです。
つまり、年々価値が目減りする建物は消費物に該当するため消費税がかかりますが、経年数による価値の目減りがない土地は課税対象外になります。
さらに、消費税によって、譲渡所得税と仲介手数料の価格が変わるために按分が必要なのです。
不動産売却時に按分をする際に気をつけるべき注意点とは
多額の資金が動く不動産の売却は、少しでも消費税の課税負担を抑えることが、より多くのお金を残すポイントです。
つまり、売主にとって土地と建物の割合を4対6の割合で計上するよりも、6対4と土地の価格を高く設定したほうが、税金の優遇幅が大きくなります。
しかし、売買契約は買い主と売主の双方がいて成り立つものであることを忘れてはなりません。
なぜかというと、買い主にとっては建物の価格が土地より高いほうが控除の枠が大きくなるため、当事者同士が直接話し合って按分の割合を決めようとすると、トラブルに繋がりやすいことが注意点です。
また、極端に建物の価格を安く設定しすぎてしまうと、行政機関に妥当ではないと指摘される可能性があるため気を付けてください。
不動産売却時における按分の割合を決める方法は4つある
売主と買い主が相談して決める
当事者同士で土地と建物の価格を決めることはもっとも手っ取り早い方法ですが、前述しましたように双方の利害関係が絡む話ですので、お互いに納得できる結果を出し難い点がデメリットです。
固定資産税の評価額をベースに土地と建物の価格を設定する
固定資産税評価額とは、固定資産税を決める際のデータに用いられているため、売主と買い主のどちらにとっても公平性が高く、双方が納得できる結果を得やすくおすすめです。
売買契約時の時価額を元にする
売買契約が成立した時点の時価を元にする方法がありますが、なにを基準に時価を決めるべきか選択に迷う部分があり、現実時的ではありません。
不動産鑑定士に鑑定を任せる
不動産鑑定士による鑑定結果により、土地と建物の価値を設定することも1つの方法ですが、数十万円の鑑定料が掛かります。